脛骨内側顆壊死
- やあた堂はりきゅう院
- 2021年12月29日
- 読了時間: 3分
更新日:5月29日
鍼灸師になりたてのときのこと。
自宅訪問専門の治療院に勤務していて、刺した鍼に電気を流すスタイルで治療していました。
83歳の女性、鍼灸治療が初めて。
脛骨内側顆壊死で医師から手術を勧められていました。左膝は熱を持ち、赤く腫れて大腿部より太い状態。もちろん膝は曲がっていました。写真はないのですが、読んだだけでも歩行困難なことはわかりますよね?
相当な痛みだったと思います。
翌月にコーラスの発表会があり、車椅子で壇上に上がりたくない。杖を使いたくないとのこと。鍼も怖いし手術はもっと怖い。知人の紹介で予約が入りました。
実際に治療しようとすると、鍼を怖がっている気持ちが伝わってくるんですよね。

局所治療では変化が得られなかったです。治療後に本を読み漁り、別の日には指導くださる先生に聞いては治療の繰り返し。
この様なハードな疾患は未経験ですから治療後は私がヘトヘトで、毎回必死でしたね。
なんてったって鍼灸師成り立てですから。
で、二進も三進も行かないので、院長に内緒で、やったらいけない全身治療(接触鍼)に切り替えたんです。結果は上々。
痛みが消えたのです。
「う゛ぉ~~~!痛みがなくなったぁ~」
↑当時はこんな気持ちだったと思いますね(笑)
小さな変化のため本人は気づきませんが、やはり全身治療が良いことを知った瞬間でしたね。接触鍼に切り替えたことで鍼の怖さがなくなり、途中から会話が増えました。鍼灸の効果もあったと思いますし、緊張もなくなったからでしょう。
20回ほど治療した頃には、浮腫みが消失して友人と遊びへ行くようになります。辛さだけの毎日から楽しみが増えたのです。
以下は打ち解けてきた頃の会話です。
私:脚がかなり細くなりましたねぇ~
患:そうぉ?全然変わらないわ!
私:え?そうですかぁ・・・?
↑心の声(まだ分からないんだな。)
別日の会話です。
私:膝の熱っぽさがなくなりましたね
患:そう?ぜ~んぜん変わらないよ!
私:へっ?そうですかぁ。。。
↑心の声(え?こんなに違うのにぃ?)
また別の日の会話
私:かなり歩けるようになりましたね
患:じぇ~んじぇん!変わらないわ!
私:・・・・
↑心の声(うっそぉ~ん( °ᯅ° ))
止めればいいのに私から話しました。
私:じぇんじぇん?変わってない?
患:うん、そうよ。自転車に乗れない
患:脚が真っ直ぐじゃない
私:・・・・
↑心の声(あ゛ぁぁ~(>*_*<)~)
患者さんの希望が変わってますね。
皆さん回復すると良い欲が次から次へと出てきます。
今では笑い話ですから、どうぞ笑ってやってください(笑)
※なんてったって鍼灸師なりたてですから~
結果コーラス発表会は杖なしだったとか。よかったですよねー。それ以来、治療する機会がなくなったので経過はわかりません。残念です。
この症例以後、接触鍼と灸のみで全身治療をしています。
鍼灸治療はいいですよ~。
追記2025.5
今は鍼を刺すこともあります。抵抗ある方は刺しません。
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