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脛骨内側顆壊死

更新日:5月29日

鍼灸師になりたてのときのこと。

自宅訪問専門の治療院に勤務していて、刺した鍼に電気を流すスタイルで治療していました。


83歳の女性、鍼灸治療が初めて。

脛骨内側顆壊死で医師から手術を勧められていました。左膝は熱を持ち、赤く腫れて大腿部より太い状態。もちろん膝は曲がっていました。写真はないのですが、読んだだけでも歩行困難なことはわかりますよね?


相当な痛みだったと思います。


翌月にコーラスの発表会があり、車椅子で壇上に上がりたくない。杖を使いたくないとのこと。鍼も怖いし手術はもっと怖い。知人の紹介で予約が入りました。


実際に治療しようとすると、鍼を怖がっている気持ちが伝わってくるんですよね。



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局所治療では変化が得られなかったです。治療後に本を読み漁り、別の日には指導くださる先生に聞いては治療の繰り返し。


この様なハードな疾患は未経験ですから治療後は私がヘトヘトで、毎回必死でしたね。


なんてったって鍼灸師成り立てですから。


で、二進も三進も行かないので、院長に内緒で、やったらいけない全身治療(接触鍼)に切り替えたんです。結果は上々。


痛みが消えたのです。


「う゛ぉ~~~!痛みがなくなったぁ~」

↑当時はこんな気持ちだったと思いますね(笑)


小さな変化のため本人は気づきませんが、やはり全身治療が良いことを知った瞬間でしたね。接触鍼に切り替えたことで鍼の怖さがなくなり、途中から会話が増えました。鍼灸の効果もあったと思いますし、緊張もなくなったからでしょう。


20回ほど治療した頃には、浮腫みが消失して友人と遊びへ行くようになります。辛さだけの毎日から楽しみが増えたのです。


以下は打ち解けてきた頃の会話です。


私:脚がかなり細くなりましたねぇ~

患:そうぉ?全然変わらないわ!

私:え?そうですかぁ・・・?

↑心の声(まだ分からないんだな。)


別日の会話です。

私:膝の熱っぽさがなくなりましたね

患:そう?ぜ~んぜん変わらないよ!

私:へっ?そうですかぁ。。。

↑心の声(え?こんなに違うのにぃ?)


また別の日の会話

私:かなり歩けるようになりましたね

患:じぇ~んじぇん!変わらないわ!

私:・・・・

↑心の声(うっそぉ~ん( °ᯅ° ))


止めればいいのに私から話しました。

私:じぇんじぇん?変わってない?

患:うん、そうよ。自転車に乗れない

患:脚が真っ直ぐじゃない

私:・・・・

↑心の声(あ゛ぁぁ~(>*_*<)~)


患者さんの希望が変わってますね。

皆さん回復すると良い欲が次から次へと出てきます。


今では笑い話ですから、どうぞ笑ってやってください(笑)


※なんてったって鍼灸師なりたてですから~


結果コーラス発表会は杖なしだったとか。よかったですよねー。それ以来、治療する機会がなくなったので経過はわかりません。残念です。


この症例以後、接触鍼と灸のみで全身治療をしています。



鍼灸治療はいいですよ~。


追記2025.5

今は鍼を刺すこともあります。抵抗ある方は刺しません。


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